重馬場・不良馬場の種牡馬データは、道悪で産駒の成績がどのように変化するかを確認する材料です。ただし、芝とダートでは馬場悪化の影響が異なり、好走率が高い種牡馬と、良・稍重から成績が上がる種牡馬も同じではありません。この記事では、2016年1月5日〜2025年12月28日のJRAデータを芝・ダート別に再集計します。
この記事の結論
重・不良馬場で複勝率が高い種牡馬と、良・稍重から複勝率が上昇する種牡馬は分けて見る必要があります。今回の対象数50件以上では、芝はキタサンブラックが複勝率36.8%、ダートはInto Mischiefが41.3%で上位です。ただし、血統だけで結果は決まらず、距離、コース、人気、脚質、個体実績をあわせて確認する必要があります。
この記事でわかること
- 芝の重・不良馬場で好走率が高い種牡馬
- ダートの重・不良馬場で好走率が高い種牡馬
- 良・稍重から複勝率が上昇した種牡馬
- 道悪で成績が下がった種牡馬
- 回収値と母数を含めた血統データの見方
重馬場に強い種牡馬の考え方
本記事では、馬場状態を「良・稍重」と「重・不良」に分け、種牡馬別の複勝率を比較します。重・不良で複勝率が高いだけでなく、良・稍重からどれだけ上昇したかを見ることで、道悪時に評価を上げる候補を整理します。
「道悪巧者」と断定しない
種牡馬別成績には、産駒の能力、人気、距離構成、開催競馬場などが含まれます。重・不良で高成績でも、個別の馬が同じ適性を持つとは限りません。
芝の重・不良馬場で複勝率が高い種牡馬
以下は、芝の重・不良馬場で対象数50件以上、かつ2025年にも産駒のJRA出走実績がある種牡馬を複勝率順に並べた上位12件です。
※表は横にスクロールできます。
| 種牡馬 | 対象数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| キタサンブラック | 117 | 12.0% | 22.2% | 36.8% | 73.0% | 114.6% |
| ドリームジャーニー | 86 | 11.6% | 23.3% | 34.9% | 84.5% | 108.0% |
| リアルスティール | 89 | 11.2% | 21.3% | 31.5% | 239.1% | 98.7% |
| Frankel | 51 | 11.8% | 19.6% | 31.4% | 50.8% | 88.4% |
| マクフィ | 68 | 7.4% | 19.1% | 30.9% | 42.5% | 85.9% |
| ディープインパクト | 913 | 12.0% | 20.9% | 30.3% | 118.0% | 83.1% |
| ディスクリートキャット | 54 | 9.3% | 18.5% | 29.6% | 72.0% | 127.4% |
| ドゥラメンテ | 242 | 9.1% | 19.8% | 28.9% | 51.9% | 81.3% |
| キズナ | 376 | 13.0% | 19.7% | 28.5% | 106.0% | 80.3% |
| スクリーンヒーロー | 247 | 10.5% | 19.8% | 28.3% | 105.7% | 99.4% |
| ミッキーアイル | 106 | 5.7% | 17.9% | 28.3% | 42.6% | 88.4% |
| キングカメハメハ | 365 | 8.8% | 20.5% | 28.2% | 51.4% | 71.1% |
データから読み取れること
キタサンブラックは対象数117件で複勝率36.8%です。複勝率だけでなく、対象数と単回値・複回値を確認し、特定の高配当に依存していないかを考えます。
芝で道悪時に複勝率が上昇した種牡馬
良・稍重100件以上、重・不良50件以上ある種牡馬を対象に、複勝率の上昇幅を比較します。母数をそろえることで、少数例による極端な差を抑えています。
※表は横にスクロールできます。
| 種牡馬 | 良・稍重 対象数 | 良・稍重 複勝率 | 重・不良 対象数 | 重・不良 複勝率 | 上昇差 |
|---|---|---|---|---|---|
| ドリームジャーニー | 1,048 | 22.3% | 86 | 34.9% | +12.6pt |
| ディスクリートキャット | 613 | 17.5% | 54 | 29.6% | +12.1pt |
| タニノギムレット | 1,056 | 13.5% | 57 | 24.6% | +11.1pt |
| マクフィ | 747 | 19.9% | 68 | 30.9% | +11.0pt |
| メイショウボーラー | 1,091 | 11.3% | 107 | 20.6% | +9.3pt |
| ラブリーデイ | 756 | 18.8% | 75 | 26.7% | +7.9pt |
| キタサンブラック | 1,699 | 31.1% | 117 | 36.8% | +5.7pt |
| キングズベスト | 1,082 | 14.5% | 94 | 20.2% | +5.7pt |
| クロフネ | 1,427 | 19.2% | 129 | 24.8% | +5.6pt |
| オルフェーヴル | 3,810 | 22.8% | 347 | 28.2% | +5.4pt |
芝で道悪時に複勝率が低下した種牡馬
以下は同じ母数条件で、重・不良馬場の複勝率が良・稍重より低かった種牡馬です。ランキングだけで消すのではなく、個別馬の道悪実績を優先してください。
※表は横にスクロールできます。
| 種牡馬 | 良・稍重 対象数 | 良・稍重 複勝率 | 重・不良 対象数 | 重・不良 複勝率 | 変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| グラスワンダー | 707 | 13.0% | 53 | 1.9% | -11.1pt |
| タートルボウル | 739 | 19.5% | 51 | 9.8% | -9.7pt |
| トーセンホマレボシ | 840 | 16.0% | 64 | 7.8% | -8.2pt |
| エピファネイア | 4,889 | 28.2% | 418 | 21.1% | -7.1pt |
| フェノーメノ | 482 | 15.6% | 56 | 8.9% | -6.7pt |
| キングヘイロー | 721 | 13.9% | 51 | 7.8% | -6.1pt |
| キンシャサノキセキ | 2,904 | 20.0% | 246 | 15.0% | -5.0pt |
| サトノクラウン | 938 | 16.4% | 70 | 11.4% | -5.0pt |
| マンハッタンカフェ | 2,108 | 24.6% | 183 | 19.7% | -4.9pt |
| ロードカナロア | 6,850 | 29.1% | 563 | 24.3% | -4.8pt |
芝の重・不良馬場で複回値が高い種牡馬
複回値は複勝を100円ずつ購入した場合の払戻効率です。以下は重・不良50件以上、複勝率15%以上の条件から複回値上位を掲載しています。
※表は横にスクロールできます。
| 種牡馬 | 対象数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ディープブリランテ | 164 | 9.1% | 15.2% | 21.3% | 192.6% | 162.1% |
| ワークフォース | 106 | 6.6% | 15.1% | 21.7% | 58.6% | 140.8% |
| ナカヤマフェスタ | 56 | 7.1% | 12.5% | 16.1% | 214.5% | 133.0% |
| キングズベスト | 94 | 9.6% | 16.0% | 20.2% | 172.9% | 128.3% |
| ディスクリートキャット | 54 | 9.3% | 18.5% | 29.6% | 72.0% | 127.4% |
| イスラボニータ | 96 | 11.5% | 16.7% | 22.9% | 381.4% | 121.5% |
| キタサンブラック | 117 | 12.0% | 22.2% | 36.8% | 73.0% | 114.6% |
| ジョーカプチーノ | 73 | 4.1% | 8.2% | 16.4% | 70.5% | 113.7% |
| メイショウボーラー | 107 | 6.5% | 15.0% | 20.6% | 234.1% | 111.4% |
| ドリームジャーニー | 86 | 11.6% | 23.3% | 34.9% | 84.5% | 108.0% |
回収値を先に見ない
複回値が高い条件でも、高配当の好走例が少数含まれるだけの場合があります。対象数と複勝率を先に確認し、回収値は補足情報として扱います。
ダートの重・不良馬場で複勝率が高い種牡馬
以下は、ダートの重・不良馬場で対象数50件以上、かつ2025年にも産駒のJRA出走実績がある種牡馬を複勝率順に並べた上位12件です。
※表は横にスクロールできます。
| 種牡馬 | 対象数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Into Mischief | 63 | 15.9% | 25.4% | 41.3% | 85.1% | 113.5% |
| American Pharoah | 77 | 16.9% | 31.2% | 39.0% | 202.2% | 101.6% |
| ナダル | 56 | 16.1% | 26.8% | 37.5% | 48.8% | 72.0% |
| キタサンブラック | 104 | 13.5% | 19.2% | 33.7% | 93.8% | 76.7% |
| ニューイヤーズデイ | 100 | 13.0% | 23.0% | 32.0% | 84.2% | 98.7% |
| Speightstown | 61 | 16.4% | 27.9% | 31.1% | 59.3% | 65.1% |
| Tapit | 69 | 11.6% | 24.6% | 30.4% | 48.8% | 83.5% |
| ディスクリートキャット | 231 | 10.0% | 21.6% | 30.3% | 90.7% | 114.5% |
| カジノドライヴ | 311 | 12.5% | 20.3% | 28.9% | 173.2% | 137.5% |
| ミッキーアイル | 225 | 11.6% | 22.7% | 28.9% | 82.9% | 81.9% |
| スズカコーズウェイ | 87 | 8.0% | 13.8% | 28.7% | 62.2% | 112.4% |
| ルヴァンスレーヴ | 91 | 9.9% | 22.0% | 28.6% | 94.8% | 72.2% |
データから読み取れること
Into Mischiefは対象数63件で複勝率41.3%です。複勝率だけでなく、対象数と単回値・複回値を確認し、特定の高配当に依存していないかを考えます。
ダートで道悪時に複勝率が上昇した種牡馬
良・稍重100件以上、重・不良50件以上ある種牡馬を対象に、複勝率の上昇幅を比較します。母数をそろえることで、少数例による極端な差を抑えています。
※表は横にスクロールできます。
| 種牡馬 | 良・稍重 対象数 | 良・稍重 複勝率 | 重・不良 対象数 | 重・不良 複勝率 | 上昇差 |
|---|---|---|---|---|---|
| ヴァンセンヌ | 228 | 12.3% | 54 | 27.8% | +15.5pt |
| タリスマニック | 449 | 18.0% | 74 | 28.4% | +10.4pt |
| ロジャーバローズ | 216 | 11.6% | 50 | 22.0% | +10.4pt |
| American Pharoah | 437 | 30.0% | 77 | 39.0% | +9.0pt |
| サトノクラウン | 382 | 15.2% | 91 | 23.1% | +7.9pt |
| ディスクリートキャット | 1,214 | 22.5% | 231 | 30.3% | +7.8pt |
| カジノドライヴ | 1,274 | 21.3% | 311 | 28.9% | +7.6pt |
| ファインニードル | 306 | 14.4% | 50 | 22.0% | +7.6pt |
| エスケンデレヤ | 624 | 20.8% | 138 | 28.3% | +7.5pt |
| カリフォルニアクローム | 576 | 19.4% | 86 | 26.7% | +7.3pt |
ダートで道悪時に複勝率が低下した種牡馬
以下は同じ母数条件で、重・不良馬場の複勝率が良・稍重より低かった種牡馬です。ランキングだけで消すのではなく、個別馬の道悪実績を優先してください。
※表は横にスクロールできます。
| 種牡馬 | 良・稍重 対象数 | 良・稍重 複勝率 | 重・不良 対象数 | 重・不良 複勝率 | 変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| サトノダイヤモンド | 503 | 24.5% | 98 | 15.3% | -9.2pt |
| フェノーメノ | 457 | 18.4% | 95 | 9.5% | -8.9pt |
| ラブリーデイ | 653 | 16.1% | 144 | 9.7% | -6.4pt |
| マクフィ | 1,282 | 20.7% | 278 | 14.7% | -6.0pt |
| ケープブランコ | 427 | 16.9% | 90 | 11.1% | -5.8pt |
| ビーチパトロール | 310 | 11.6% | 69 | 5.8% | -5.8pt |
| モンテロッソ | 657 | 14.2% | 164 | 8.5% | -5.7pt |
| Speightstown | 286 | 36.7% | 61 | 31.1% | -5.6pt |
| レイデオロ | 355 | 22.8% | 74 | 17.6% | -5.2pt |
| ダノンレジェンド | 1,054 | 28.0% | 185 | 23.2% | -4.8pt |
ダートの重・不良馬場で複回値が高い種牡馬
複回値は複勝を100円ずつ購入した場合の払戻効率です。以下は重・不良50件以上、複勝率15%以上の条件から複回値上位を掲載しています。
※表は横にスクロールできます。
| 種牡馬 | 対象数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| キャプテントゥーレ | 63 | 4.8% | 7.9% | 15.9% | 164.8% | 182.2% |
| トビーズコーナー | 112 | 6.2% | 15.2% | 20.5% | 172.3% | 177.1% |
| ヴァンセンヌ | 54 | 5.6% | 16.7% | 27.8% | 148.5% | 143.9% |
| カジノドライヴ | 311 | 12.5% | 20.3% | 28.9% | 173.2% | 137.5% |
| バトルプラン | 215 | 5.1% | 12.1% | 20.0% | 97.6% | 133.9% |
| エイシンヒカリ | 81 | 6.2% | 18.5% | 28.4% | 29.4% | 131.0% |
| キングヘイロー | 150 | 6.0% | 16.0% | 22.0% | 54.5% | 126.9% |
| ローレルゲレイロ | 64 | 1.6% | 10.9% | 18.8% | 15.9% | 116.9% |
| ディスクリートキャット | 231 | 10.0% | 21.6% | 30.3% | 90.7% | 114.5% |
| Into Mischief | 63 | 15.9% | 25.4% | 41.3% | 85.1% | 113.5% |
回収値を先に見ない
複回値が高い条件でも、高配当の好走例が少数含まれるだけの場合があります。対象数と複勝率を先に確認し、回収値は補足情報として扱います。
重馬場の種牡馬データを使う手順
血統データは、当日の馬場状態と個別馬の適性を補足するために使います。種牡馬ランキングだけで評価を決めず、過去の道悪実績や距離適性を先に確認します。
- 芝・ダートを分ける
- 当日の馬場状態と悪化度合いを確認する
- 個別馬の道悪実績を確認する
- 種牡馬の重・不良成績と母数を見る
- 距離・競馬場・脚質を確認する
- 回収値だけで購入を決めない
重馬場の種牡馬データを見るときの注意点
道悪の発生回数は良馬場より少なく、種牡馬によって対象数に差があります。また、「重」「不良」と同じ区分でも、含水率や開催進行によって実際の馬場は異なります。
注意したいポイント
- 芝とダートを混ぜない
- 重・不良50件未満を主要ランキングに使わない
- 良・稍重との比較では両方の母数を確認する
- 種牡馬成績を個体適性と同一視しない
- 過去データを将来の結果保証として扱わない
まとめ
重・不良馬場の対象数50件以上では、芝はキタサンブラック、ダートはInto Mischiefの複勝率が上位です。一方、道悪時の上昇差を見ると、通常馬場での基礎成績が低い種牡馬が上位になることもあります。
「重・不良で高い成績」と「通常馬場から上昇する成績」を分け、対象数、複勝率、回収値を確認してください。最終的には個別馬の道悪実績、距離、コース、人気、脚質を優先しましょう。
検証条件
- 集計期間:2016年1月5日〜2025年12月28日
- 対象:JRA中央競馬の芝・ダート
- 馬場区分:良・稍重/重・不良
- 主要ランキング:重・不良50件以上
- 上昇・低下比較:良・稍重100件以上かつ重・不良50件以上
- 掲載条件:2025年に産駒のJRA出走実績あり
- 複回値ランキング:重・不良50件以上かつ複勝率15%以上
- 単回値・複回値:各対象馬を100円ずつ購入した条件
- 除外:着順を数値化できない競走中止・取消・除外など3,207件
- 外部情報確認日:2026年7月13日
掲載データについて
本記事は2016年1月5日〜2025年12月28日のJRA中央競馬を集計しています。芝・ダートを分け、良・稍重と重・不良の種牡馬別成績を比較しました。主要ランキングは重・不良50件以上、変化幅の比較は良・稍重100件以上かつ重・不良50件以上に限定しています。
本記事の数値は過去の結果を集計したもので、将来の好走や払戻しを保証するものではありません。複勝率や回収値は、対象期間、母数、人気、馬場状態、出走馬構成などによって変わります。個別レースでは当日の条件も確認してください。
重馬場の種牡馬データに関するよくある質問
重馬場の種牡馬データについて疑問になりやすい点を、一問一答で整理します。数値の意味と、過信を避けるための注意点をあわせて確認してください。
よくある質問
重馬場に強い種牡馬はどれですか?
対象数50件以上の今回集計では、芝はキタサンブラック、ダートはInto Mischiefが複勝率上位です。ただし距離や人気構成が異なるため、単独で断定はできません。
重馬場と不良馬場はまとめてよいですか?
母数確保のため本記事では重・不良をまとめていますが、実際の馬場状態は同じではありません。個別レースでは含水率や時計の出方も確認します。
複勝率が上昇した種牡馬は買いですか?
上昇差は評価を上げる補助材料ですが、対象数、通常馬場の基礎成績、今回の個体実績を確認する必要があります。
複回値100%超なら利益が期待できますか?
過去の集計結果であり、将来の利益を保証しません。高配当1件の影響もあるため、対象数と複勝率を先に確認します。
個別馬に道悪実績がない場合は血統を重視すべきですか?
血統は参考になりますが、走法、体型、距離適性、近親実績なども確認します。種牡馬データだけで適性を断定しないことが大切です。
次に読む記事
重馬場の種牡馬データを単独で判断せず、人気・オッズ、サンプルサイズ、コース特徴などの関連記事とつなげて確認すると、データの意味を整理しやすくなります。
参考・出典
本記事の集計元と、データ項目や競馬場・馬場状態の確認に使用した情報をまとめます。制度や表示方法は変更される可能性があるため、最新情報は公式サイトも確認してください。
参考・出典
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