単勝は1着、複勝は原則として3着以内を当てる馬券です。複勝は単勝より的中しやすい一方、払戻金は小さくなりやすいため、「当たりやすい=回収結果も高い」とは限りません。この記事では、2016年〜2025年のJRA平地競走で単勝・複勝を100円ずつ均等購入した場合の単回値・複回値、的中頻度、平均配当、年度別の変動を比較します。
この記事の結論
複勝の的中頻度は21.4%で単勝の7.2%より高い一方、複回値は72.8%、単回値は72.2%で、回収結果の差は0.6ポイントでした。平均配当は単勝1,007円、複勝341円です。年度別回収値は単勝70.4%〜77.0%、複勝70.9%〜74.4%で、今回の集計では複勝の方が年ごとの変動幅は小さくなりました。ただし、複勝が常に有利・安定すると一律には判断できません。
この記事でわかること
- 単勝と複勝の的中条件・発売条件の違い
- 単回値・複回値と的中頻度の比較
- 平均配当・中央値・最高配当の違い
- 人気グループ別に見た券種ごとの特徴
- 年度別の変動幅と高配当の影響
この記事で検証する内容
JRA平地競走33,290レースを対象に、出走取消・競走除外を除いた464,913頭へ、単勝と複勝をそれぞれ100円ずつ購入した場合として集計しました。回収値には、レース確定後の実際の単勝・複勝払戻金を使用しています。
検証の要点
- 複勝の的中頻度は単勝の約3.0倍
- 単回値と複回値の差は0.6ポイント
- 平均配当は単勝1,007円、複勝341円
- 年度別回収値の標準偏差は単勝2.0ポイント、複勝0.8ポイント
単勝と複勝の違い
単勝は1着になる馬を当てる馬券です。複勝は発売開始時の出走馬が5頭以上の場合に発売され、7頭以下では2着まで、8頭以上では3着までが的中対象になります。
| 比較項目 | 単勝 | 複勝 |
|---|---|---|
| 的中条件 | 1着になる馬 | 原則3着以内。7頭以下では2着以内 |
| 発売条件 | 発売開始時2頭以上 | 発売開始時5頭以上 |
| 通常の設定払戻率 | 80.0% | 80.0% |
| 今回の的中頻度 | 7.2% | 21.4% |
| 今回の平均配当 | 1,007円 | 341円 |
設定払戻率と均等購入時の回収値は同じではない
設定払戻率は券種全体の投票金額を基準にした制度上の割合です。本記事は各馬を同額で購入する集計であり、実際の投票金額の偏りとは一致しません。そのため、単回値・複回値が必ず80.0%になるわけではありません。
単回値・複回値と的中頻度を比較
※表は横にスクロールできます。
| 券種 | サンプル数 | 的中数 | 的中頻度 | 回収値 | 平均配当 | 中央値 | 最高配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 単勝 | 464,913 | 33,345 | 7.2% | 72.2% | 1,007円 | 470円 | 54,940円 |
| 複勝 | 464,913 | 99,358 | 21.4% | 72.8% | 341円 | 200円 | 18,020円 |
データから読み取れること
- 複勝の的中頻度は単勝より14.2ポイント高い
- 複回値は72.8%、単回値は72.2%で差は小さい
- 単勝は平均配当と中央値の差が大きく、一部の高配当が平均を押し上げている
- 複勝は的中数が多い一方、1回あたりの払戻額は小さい
単回値・複回値の計算方法
単回値は単勝回収率、複回値は複勝回収率を表す馬単位の指標です。
単勝の払戻金合計は33,576,950円、複勝は33,851,160円です。今回のデータでは対象となった全レースで複勝払戻が確認できたため、単勝・複勝の対象数はともに464,913頭でした。
個人の馬券回収率とは計算単位が異なる
本記事は該当馬をすべて100円ずつ購入する馬単位の集計です。実際の購入履歴から求める回収率は、選んだレース・買い目・購入金額を分母にするため、本記事の単回値・複回値と直接比較できません。
平均配当と払戻分布の違い
| 券種 | 平均配当 | 中央値 | 最高配当 | 上位10件の寄与率 | 上位10件除外後の回収値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 単勝 | 1,007円 | 470円 | 54,940円 | 1.2% | 71.4% |
| 複勝 | 341円 | 200円 | 18,020円 | 0.4% | 72.6% |
データから読み取れること
- 単勝の平均配当は1,007円、中央値は470円
- 複勝の平均配当は341円、中央値は200円
- 払戻上位10件の寄与率は単勝1.2%、複勝0.4%
- 単勝の方が高配当の影響を受けやすい分布だった
除外後の値は正式成績ではない
高配当は実際に発生した結果です。上位10件除外後の数値は偏りを確認する感度分析であり、正式な単回値・複回値として扱いません。
人気グループ別に比較
| 人気グループ | 対象 | 単勝的中頻度 | 単回値 | 複勝的中頻度 | 複回値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 上位人気 | 1〜3番人気 | 21.9% | 79.4% | 52.3% | 82.6% |
| 中位人気 | 4〜6番人気 | 7.2% | 78.5% | 26.8% | 77.3% |
| 下位人気 | 7〜9番人気 | 2.9% | 75.0% | 13.2% | 74.8% |
| 人気薄 | 10番人気以下 | 0.9% | 62.6% | 4.5% | 63.2% |
複勝はすべての人気グループで的中頻度が高くなりますが、複回値が単回値を常に上回るわけではありません。上位人気では複回値が単回値より3.2ポイント高い一方、中位人気では単回値が1.2ポイント高い結果でした。
年度別の回収値と変動幅
| 年 | 単勝的中頻度 | 単回値 | 単勝平均配当 | 複勝的中頻度 | 複回値 | 複勝平均配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2016年 | 6.9% | 74.0% | 1,073円 | 20.6% | 72.8% | 353円 |
| 2017年 | 7.0% | 73.2% | 1,045円 | 20.9% | 72.7% | 348円 |
| 2018年 | 7.1% | 71.2% | 1,001円 | 21.2% | 72.5% | 341円 |
| 2019年 | 7.3% | 72.4% | 996円 | 21.7% | 73.3% | 338円 |
| 2020年 | 7.2% | 77.0% | 1,073円 | 21.4% | 74.4% | 348円 |
| 2021年 | 7.2% | 71.0% | 982円 | 21.5% | 72.7% | 338円 |
| 2022年 | 7.3% | 70.4% | 964円 | 21.7% | 73.2% | 337円 |
| 2023年 | 7.2% | 70.7% | 977円 | 21.6% | 72.6% | 337円 |
| 2024年 | 7.3% | 70.5% | 964円 | 21.7% | 73.0% | 336円 |
| 2025年 | 7.2% | 71.6% | 993円 | 21.4% | 70.9% | 331円 |
単回値は70.4%〜77.0%、複回値は70.9%〜74.4%でした。標準偏差は単勝2.0ポイント、複勝0.8ポイントです。
今回の集計では複勝の年度変動が小さい
複勝は的中数が多く、平均配当も小さいため、今回の10年間では年度別回収値の振れ幅が小さくなりました。ただし、条件を絞ると母数や配当構成が変わるため、すべての集計で同じ関係になるとは限りません。
単勝と複勝のどちらが安定・有利なのか
的中頻度では複勝が高い
複勝の的中頻度は単勝の約3.0倍でした。払戻しが発生する回数という意味では、単勝より多くなります。
配当の大きさと幅では単勝が大きい
単勝は平均配当・最高配当とも複勝より大きく、配当分布も広くなっています。その分、高配当や年度による影響を受けやすくなります。
回収結果だけでは明確な優劣を決められない
単回値と複回値の差は0.6ポイントでした。複勝は的中頻度が高いものの、払戻額が小さくなるため、回収結果が大幅に高くなったわけではありません。
「安定」の意味を分ける
- 的中しやすさ:的中頻度
- 払戻額の大きさ:平均配当・中央値・最高配当
- 年ごとの動き:回収値の範囲・標準偏差
- 購入効率:単回値・複回値
単勝・複勝データを見るときの注意点
複勝の発売条件を確認する
複勝は発売開始時の出走頭数により、発売の有無と的中対象着順が変わります。
的中頻度を利益の証明にしない
複勝は当たりやすくても、低い払戻しが続けば複回値は100.0%を下回ります。
平均配当だけでブレを判断しない
中央値、最高配当、上位払戻の寄与率、年度別の変動も確認してください。
券種選択の推奨記事として読まない
本記事は過去データの構造を比較するもので、具体的な買い目や資金配分を示すものではありません。
確認ポイント
- 回収値と的中頻度を分けて見たか
- 平均配当と中央値を確認したか
- 複勝の発売条件を確認したか
- 期間や人気を分けても同じ傾向か確認したか
- 馬単位と買い目単位を混同していないか
まとめ
単勝の的中頻度は7.2%、単回値は72.2%、平均配当は1,007円でした。複勝は的中頻度21.4%、複回値72.8%、平均配当341円です。
複勝は単勝より的中頻度が高く、今回の年度別回収値も変動幅が小さい結果でした。一方、回収値の差は0.6ポイントにとどまります。券種を比較するときは、的中頻度、回収値、平均配当、配当分布、集計期間を分けて確認してください。
検証条件
- データ出典:競馬データアカデミー独自集計
- 集計対象:JRA平地競走(芝・ダート、新馬戦を含む)
- 集計期間:2016年〜2025年
- 分類方法:単勝は確定単勝払戻、複勝は複勝発売レースの確定複勝払戻を使用
- 算出前提:各該当馬の単勝・複勝を100円ずつ購入した場合として算出
- 除外・特殊処理:出走取消・競走除外は対象外、競走中止は着外。複勝は発売のあるレースのみを分母とし、配当欠損は0円として扱う
本記事で掲載している各種データは、競馬データアカデミーによる独自集計であり、集計期間は2016年〜2025年を対象としています。データは過去の傾向をもとにしたものであり、今後の結果を保証するものではありません。
よくある質問
よくある質問
単回値と複回値の違いは何ですか?
単回値は単勝、複回値は複勝を100円ずつ購入した場合の回収割合です。的中条件と払戻金が異なるため、同じ条件でも数値は一致しません。
どちらの回収値が高かったですか?
単回値72.2%、複回値72.8%で、複勝が0.6ポイント高い結果でした。差は小さく、複勝が常に有利という意味ではありません。
複勝は単勝よりどのくらい的中しやすいですか?
今回の的中頻度では約3.0倍でした。ただし、的中頻度の高さは回収値の高さを保証しません。
平均配当はいくらですか?
単勝は1,007円、複勝は341円です。単勝は平均値と中央値の差が大きい分布でした。
複勝は何着まで入れば的中しますか?
発売開始時8頭以上なら3着まで、5〜7頭なら2着までです。4頭以下では複勝を発売しません。
複勝の方が安定していますか?
今回の年度別回収値の標準偏差は単勝2.0ポイント、複勝0.8ポイントでした。ただし、条件を絞ると同じ結果になるとは限りません。
どちらを買うべきですか?
本記事だけで券種を決めることはできません。過去の回収値は判断材料の一つとし、生活に支障のない予算の範囲で考えてください。
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