馬券の購入額を決める方法には、毎回同じ金額を使う「定額購入」と、残りの馬券用資金に一定割合を掛ける「定率購入」があります。この記事では、2つの計算方法、資金が増減したときの違い、運用前に決めるルールを比較します。
この記事の結論
定額購入は金額を一定に保つため記録・比較がしやすく、定率購入は馬券用資金の増減に応じて購入額が変わる方法です。どちらも的中率や回収率を高める仕組みではありません。定額では「1点か1レースか」、定率では「基準資金・割合・端数処理」を明確にし、別に絶対上限と停止条件を設けることが重要です。
この記事でわかること
- 定額購入と定率購入の定義・計算式
- 資金が減ったとき・増えたときの購入額の違い
- 連続して不的中だった場合の資金推移
- 端数処理・上限・記録方法を決める手順
この記事で整理する考え方
本記事では、馬券用として分けた資金から、1レースの総購入額をどう決めるかを整理します。予想する馬、券種、買い目点数を選ぶ方法ではなく、購入対象が決まった後の金額配分がテーマです。
定額購入と定率購入を比較するときは、最初に馬券用資金と購入上限を決める必要があります。生活費を含む預貯金全体を「現在資金」として計算してはいけません。予算の分け方から確認したい場合は、競馬の資金管理とは?初心者向けに予算配分・買い方・記録方法を解説を先に確認してください。
比較するときの4つの視点
- 購入額が何を基準に決まるか
- 資金が減少・増加したときに金額がどう変わるか
- 購入前の計算と記録を続けやすいか
- 端数・最低購入単位・絶対上限をどう扱うか
定額購入とは?
定額購入とは、あらかじめ決めた金額を毎回の購入に使う方法です。たとえば「1レースの総額を1,000円に固定する」と決めた場合、馬券用資金が増減しても、見直し時点までは1,000円を維持します。
ただし、「何を定額にするか」を明確にする必要があります。1点あたりを500円に固定すると、2点なら1,000円、10点なら5,000円となります。一方、1レース総額を1,000円に固定すれば、点数が増えたときは1点あたりの金額を下げるか、買い目を減らします。
定額の対象を曖昧にしない
「毎回1,000円」と決める場合でも、1点1,000円なのか、1レース合計1,000円なのかで必要資金は大きく異なります。本記事では、予算管理を優先するため「1レース総額を定額にする方法」を中心に扱います。
定率購入とは?
定率購入とは、購入直前の馬券用資金に、事前に決めた割合を掛けて購入額を計算する方法です。資金が減ると購入額も下がり、資金が増えると購入額も上がります。
たとえば馬券用資金が20,000円、設定割合が5%なら、計算上の購入額は1,000円です。資金が16,000円なら800円、30,000円なら1,500円になります。
定率購入は、的中確率とオッズから購入割合を求める競馬のケリー基準とは?資金管理に使う計算方法と注意点を初心者向けに解説とは異なります。定率購入は、予想内容にかかわらず同じ割合を使う単純な資金配分です。
定額購入と定率購入の違い
2つの方法は、金額を固定するか、資金に対する割合を固定するかが異なります。どちらを使う場合も、購入対象の期待値や的中確率が改善するわけではありません。
※表は横にスクロールできます。
| 比較項目 | 定額購入 | 定率購入 |
|---|---|---|
| 購入額の基準 | 事前に決めた円金額 | 購入前資金に対する割合 |
| 資金が減ったとき | 見直すまで同じ金額 | 計算上の購入額も下がる |
| 資金が増えたとき | 見直すまで同じ金額 | 計算上の購入額も上がる |
| 記録のしやすさ | 金額がそろい比較しやすい | 毎回の基準資金・割合・端数処理が必要 |
| 主な注意点 | 資金が減っても金額が変わらず、相対的な負担が上がる | 割合が高いと変動が大きく、資金増加時に金額も膨らむ |
| 必要な追加ルール | 見直し時点・1レース上限 | 端数処理・最低額・絶対上限・停止条件 |
資金額ごとの購入額を比較
以下はモデルケースの計算例です。実際の結果を保証するものではありません。
定額購入を1レース1,000円、定率購入を購入前資金の5%とした場合を比較します。割合や金額を推奨する例ではなく、資金変動に対する計算構造の違いを示すものです。
※定率購入は計算結果が100円単位になる資金額を例示しています。
| 購入前の馬券用資金 | 定額購入 | 定率購入(5%) | 違い |
|---|---|---|---|
| 30,000円 | 1,000円 | 1,500円 | 定率の方が500円多い |
| 20,000円 | 1,000円 | 1,000円 | 同額 |
| 16,000円 | 1,000円 | 800円 | 定率の方が200円少ない |
| 12,000円 | 1,000円 | 600円 | 定率の方が400円少ない |
| 8,000円 | 1,000円 | 400円 | 定率の方が600円少ない |
| 4,000円 | 1,000円 | 200円 | 定率の方が800円少ない |
定額購入は円金額が変わりませんが、資金4,000円に対する1,000円は25%です。開始時に20,000円あった場合の5%から、資金減少後は相対的な負担が大きくなっています。
定率購入は資金減少時に購入額が下がる一方、資金30,000円では1,500円へ増えます。割合だけで管理すると金額が想定以上に増える場合があるため、1レースの絶対上限を併用します。
5回連続で不的中だった場合の資金推移
開始資金20,000円から、定額購入は毎回1,000円、定率購入は購入前資金の5%を100円単位で切り下げる条件で比較します。各回の払戻金は0円とする説明用のモデルです。
※定率購入の計算額は、実際に購入できるよう100円未満を切り下げています。
| 回数 | 定額・購入前資金 | 定額・購入額 | 定率・購入前資金 | 5%の計算額 | 定率・実購入額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1回目 | 20,000円 | 1,000円 | 20,000円 | 1,000円 | 1,000円 |
| 2回目 | 19,000円 | 1,000円 | 19,000円 | 950円 | 900円 |
| 3回目 | 18,000円 | 1,000円 | 18,100円 | 905円 | 900円 |
| 4回目 | 17,000円 | 1,000円 | 17,200円 | 860円 | 800円 |
| 5回目 | 16,000円 | 1,000円 | 16,400円 | 820円 | 800円 |
| 5回合計 | 終了資金15,000円 | 5,000円 | 終了資金15,600円 | — | 4,400円 |
この条件では、定率購入の合計額は4,400円となり、定額購入の5,000円より600円少なくなります。ただし、これは5%・100円未満切り下げという設定による結果です。割合を高くすれば資金減少も大きくなり、定率購入そのものが損失を防ぐわけではありません。
連敗後に割合を上げない
定率購入で資金が減ると購入額も下がります。そこで「取り戻すため」に割合を上げると、元の管理方法とは別の増額法になります。割合は結果が分かる前に固定し、見直しは月初など事前に決めた時点だけで行います。
定率購入では端数処理を先に決める
定率購入は、計算結果が購入単位に合わないことがあります。たとえば資金19,000円の5%は950円です。100円単位で購入する場合、900円へ切り下げる、1,000円へ四捨五入するなど複数の処理が考えられます。
資金上限を超えない管理を優先するなら、100円未満を切り下げる方法が分かりやすくなります。端数を切り上げると、実際の購入額が設定割合を上回るためです。
※以下は5%で計算し、100円未満を切り下げる例です。
| 馬券用資金 | 5%の計算額 | 100円単位へ切り下げ | 実際の割合 | 扱い |
|---|---|---|---|---|
| 19,000円 | 950円 | 900円 | 約4.7% | 設定割合以内 |
| 8,500円 | 425円 | 400円 | 約4.7% | 設定割合以内 |
| 3,000円 | 150円 | 100円 | 約3.3% | 設定割合以内 |
| 1,500円 | 75円 | 購入不可 | — | 停止条件に該当 |
計算額が100円未満になったとき、最低購入額の100円を使うと設定した5%を上回ります。たとえば資金1,500円に対する100円は約6.7%です。割合を守れない状態を「例外」として続けず、停止条件として扱います。
定額購入と定率購入を選ぶ確認基準
どちらが常に優れているという結論はありません。自分が何を固定し、何を変動させたいかで選びます。
| 重視すること | 整理しやすい方法 | 理由 | 追加で必要な確認 |
|---|---|---|---|
| 毎回の金額をそろえたい | 定額購入 | 円金額が固定され、記録を比較しやすい | 資金減少時の相対負担 |
| 資金規模に合わせて金額を変えたい | 定率購入 | 資金に対する割合を一定にできる | 端数処理・絶対上限 |
| 計算を簡単にしたい | 定額購入 | 購入前の再計算が不要 | 点数増加で総額を増やさない |
| 資金減少時に購入額も下げたい | 定率購入 | 購入前資金が減ると計算額も下がる | 最低購入単位を下回る停止条件 |
| 方法を検証しやすくしたい | どちらでも可 | 事前ルールと記録が一貫していることが重要 | 結果後に方法を変更していないか |
券種・参加レース数・記録方法まで含めて運用を整理したい場合は、競馬の馬券スタイルとは?穴党・本命党の違いと初心者向けの選び方も参考にしてください。
購入方法を決める手順
- 馬券用資金を分ける:生活費・家賃・返済資金・緊急用資金を含めない。
- 何を固定するか決める:定額なら1点か1レース総額か、定率なら購入前資金に対する割合を決める。
- 絶対上限を決める:1日・1レースで超えない円金額を、割合とは別に設定する。
- 端数処理を決める:定率は100円単位への切り下げなど、毎回同じ処理を使う。
- 停止条件を決める:定率の計算額が最低購入単位を下回る、1日の上限へ達するなどの条件を決める。
- 見直し時点を決める:毎レースではなく、月初・一定件数の記録後などに限定する。
- 購入前資金と計算過程を記録する:結果が出た後に方法や割合を変更していないか確認できる形にする。
購入前に残す記録
- 購入方法(定額・定率)
- 定額の対象(1点・1レース総額)または設定割合
- 購入前の馬券用資金
- 計算上の購入額と端数処理後の購入額
- 1日・1レースの絶対上限
- 買い目点数と1点あたりの金額
- ルール変更の有無と変更理由
避けたい運用
結果を見て定額と定率を切り替える
不的中後だけ定率へ変えて金額を下げ、的中後だけ定額へ戻すなど、結果に合わせて方法を選ぶと比較できません。方法の切り替えは事前に決めた見直し時点で行います。
定率だから上限は不要と考える
資金が増えると定率購入の金額も増えます。定率だけでは円金額の上限にならないため、1レースの絶対上限を別に設定します。
定額を維持するために資金を追加する
馬券用資金が減ったとき、同じ定額を続けるために生活費や別口座から補充すると、当初の予算管理が崩れます。見直し条件に達した場合は、定額を小さくするか購入を停止します。
損失を取り戻すために割合を上げる
定率購入の割合を不的中のたびに上げると、連敗時に購入額を増やす追い上げに近づきます。設定割合は損失額ではなく、購入前のルールで管理します。
生活費に影響しない余裕資金の範囲で
定額購入・定率購入は、購入額を整理する方法です。的中率・回収率・利益を高める仕組みではありません。生活費、家賃、返済資金、緊急用資金とは分け、生活に影響しない余裕資金の範囲で、1日・1レースの上限と停止条件を先に設定してください。
まとめ
定額購入は事前に決めた円金額を維持する方法で、購入額をそろえて比較しやすいことが特徴です。定率購入は購入前の馬券用資金に一定割合を掛ける方法で、資金が減れば購入額も下がり、増えれば購入額も上がります。
定額では固定対象と見直し時点、定率では基準資金・割合・端数処理を明確にします。どちらを選ぶ場合も絶対上限と停止条件を別に設け、直前の的中・不的中を理由に方法や金額を変えないことが、同じ基準で記録・検証するための前提です。
検証条件
- 本記事の数値はすべて説明のための例示であり、特定期間・特定条件の独自集計ではありません
本記事で扱う考え方・計算例・例示数値は、競馬データアカデミー編集部による解説です。特定の集計結果ではなく、概念の理解を目的とした内容です。実際のレース結果は、馬場状態・展開・出走馬の状態・相手関係によって変わります。
よくある質問
よくある質問
定額購入と定率購入はどちらが初心者向けですか?
金額計算と記録を単純にしたい場合は、1レース総額を固定する定額購入の方が整理しやすくなります。ただし、資金が減っても同額を続けると相対的な負担が上がるため、見直し条件と停止条件を先に決めてください。
定率購入の割合は何%が適切ですか?
一律の正解はありません。割合を高くするほど1回の資金変動が大きくなります。生活に影響しない馬券用資金だけを基準にし、割合とは別に1日・1レースの絶対上限を設けます。
定額購入は1点の金額を固定する方法ですか?
1点を固定する方法と、1レース総額を固定する方法があります。1点を固定すると点数が増えた分だけ総購入額も増えるため、予算管理ではどちらを固定するのか明記する必要があります。
定率の計算額が100円未満になったらどうしますか?
最低購入単位へ無理に切り上げると、設定割合を超える場合があります。事前の停止条件として購入を見送るか、見直し時点で資金計画そのものを再設定します。
連敗した後に定額や割合を変えてもよいですか?
損失を取り戻す目的でその場で変更すると、事前ルールと記録の比較基準が崩れます。変更は月初や一定件数の記録後など、結果が分かる前に決めた見直し時点だけで行います。
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