函館競馬場ではどの騎手が成績を上げているのでしょうか。勝率や複勝率だけを見ると、有力馬への騎乗が多い騎手ほど上位になりやすくなります。この記事では、2021年以降の函館開催を対象に、2026年7月19日時点のJRA現役騎手だけを掲載対象とし、人気・単勝オッズ・出走頭数をそろえた成績と、函館以外の競馬場との差を比較しました。
主な発見
絶対成績では横山武史騎手、武豊騎手、ルメール騎手が上位でしたが、人気・オッズを考慮すると鷲頭虎太騎手、国分恭介騎手、大野拓弥騎手の評価が上がりました。他場との比較では、鷲頭虎太騎手、大野拓弥騎手、松本大輝騎手が函館で成績を上げています。絶対成績と人気・オッズ補正後の評価は分けて見る必要があります。
この記事でわかること
- 函館競馬場で勝率・複勝率が高い騎手
- 人気・単勝オッズを考慮して成績が良い騎手
- 函館以外の競馬場より成績が上がる騎手
- 函館で相対的に成績が下がった騎手
- 芝とダートで評価が変わる騎手
- 現在のJRA現役騎手に限定した比較
函館競馬場で総合的に成績が良い騎手
まずは人気・オッズ補正を行う前の絶対成績です。順位は、50鞍以上の騎手を対象に、勝率と複勝率の95%Wilson区間下限を使って少数騎乗の影響を抑えた総合評価で並べています。
※着別度数は「1着-2着-3着-着外」。回収率は各騎乗馬へ100円を購入した場合の集計です。
| 順位 | 騎手 | 騎乗数 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 横山武史 | 460 | 83-66-55-256 | 18.0% | 44.3% | 85.4% | 85.2% |
| 2 | 武豊 | 357 | 55-51-47-204 | 15.4% | 42.9% | 69.2% | 83.1% |
| 3 | ルメール | 100 | 17-18-12-53 | 17.0% | 47.0% | 46.2% | 76.0% |
| 4 | 佐々木大輔 | 394 | 48-36-49-261 | 12.2% | 33.2% | 61.8% | 84.8% |
| 5 | 鮫島克駿 | 401 | 42-49-38-272 | 10.5% | 32.2% | 106.2% | 85.4% |
データから読み取れること
横山武史騎手は460鞍で勝率18.0%、複勝率44.3%と、高い率と十分な母数を両立しています。武豊騎手も勝率15.4%、複勝率42.9%でした。ルメール騎手は単勝回収率46.2%、複勝回収率76.0%です。この順位は人気補正前の絶対成績であり、有力馬への騎乗状況とは分けて見る必要があります。
人気・オッズを考慮して成績が良い騎手
下表は、50鞍以上の騎手を対象に、個別の人気順・単勝オッズ帯・出走頭数をそろえた全騎手基準との複勝率差が大きい順に並べたものです。プラス幅が大きいほど、同程度の市場評価を受けた馬と比べて複勝圏へ入った割合が高かったことを示します。
| 順位 | 騎手 | 騎乗数 | 勝率 | 複勝率 | 平均人気 | 平均着順 | 人気着順差 | 補正複勝率差 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 鷲頭虎太 | 120 | 10.8% | 24.2% | 8.57 | 7.88 | 0.70 | +7.4pt |
| 2 | 国分恭介 | 56 | 5.4% | 25.0% | 8.64 | 7.46 | 1.18 | +7.3pt |
| 3 | 大野拓弥 | 154 | 9.7% | 29.2% | 6.99 | 6.16 | 0.83 | +6.0pt |
| 4 | 松本大輝 | 103 | 4.9% | 21.4% | 8.64 | 7.41 | 1.23 | +4.6pt |
| 5 | 角田大和 | 132 | 8.3% | 25.0% | 7.68 | 7.63 | 0.05 | +4.5pt |
データから読み取れること
鷲頭虎太騎手は補正複勝率差がプラス7.4ポイントで、同程度の人気・オッズ・出走頭数における全騎手基準を上回りました。国分恭介騎手はプラス7.3ポイント、大野拓弥騎手はプラス6.0ポイントです。単純な複勝率だけでなく、騎乗馬の市場評価をそろえた比較でも成績が高い騎手を上位としています。
補正値も騎乗数とあわせて確認
人気・オッズをそろえた比較でも、50~99鞍の騎手は数件の増減で順位が動きやすくなります。補正複勝率差だけで断定せず、騎乗数、通常の勝率・複勝率、他場との比較もあわせて評価しています。
他競馬場より函館で成績が上がる騎手
次に、同じ騎手の函館成績と函館以外の成績を比較します。順位は、人気・オッズ・出走頭数をそろえた補正複勝率差が、他場よりどれだけ上昇したかを主指標にしています。
| 順位 | 騎手 | 函館騎乗数 | 函館複勝率 | 他場複勝率 | 生の差 | 函館の補正差 | 他場の補正差 | 補正後の上昇幅 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 鷲頭虎太 | 120 | 24.2% | 11.7% | +12.5pt | +7.4pt | +0.5pt | +7.0pt |
| 2 | 大野拓弥 | 154 | 29.2% | 18.2% | +11.1pt | +6.0pt | +0.2pt | +5.8pt |
| 3 | 松本大輝 | 103 | 21.4% | 14.9% | +6.4pt | +4.6pt | -0.4pt | +5.1pt |
| 4 | 国分恭介 | 56 | 25.0% | 16.3% | +8.7pt | +7.3pt | +2.7pt | +4.7pt |
| 5 | 荻野琢真 | 89 | 16.9% | 10.4% | +6.4pt | +3.3pt | -1.1pt | +4.4pt |
データから読み取れること
鷲頭虎太騎手は補正複勝率差が他場より7.0ポイント上昇しました。大野拓弥騎手は5.8ポイント上昇、松本大輝騎手は5.1ポイント上昇しています。生の複勝率差だけでなく、人気・オッズ条件をそろえた補正後の変化を重視しています。
函館で相対的に成績が下がった騎手
この表は100鞍以上を対象に、函館の複勝率が全体平均24.5%未満で、補正複勝率差と他場比の補正差がともにマイナスとなった騎手のうち、他場との差が大きい順にまとめたものです。騎手全体の能力ではなく、対象期間の函館成績だけを比較しています。
| 順位 | 騎手 | 函館騎乗数 | 函館勝率 | 函館複勝率 | 他場複勝率 | 函館の補正差 | 他場の補正差 | 他場比の補正差 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 池添謙一 | 241 | 9.1% | 24.5% | 25.8% | -6.6pt | +1.2pt | -7.8pt |
| 2 | 舟山瑠泉 | 103 | 11.7% | 23.3% | 23.7% | -1.6pt | +3.5pt | -5.1pt |
| 3 | 亀田温心 | 100 | 0.0% | 8.0% | 15.9% | -5.2pt | -1.4pt | -3.7pt |
| 4 | 横山琉人 | 204 | 3.4% | 13.2% | 15.2% | -3.5pt | +0.2pt | -3.7pt |
| 5 | 古川吉洋 | 305 | 3.6% | 13.4% | 15.5% | -1.8pt | +1.0pt | -2.8pt |
データから読み取れること
池添謙一騎手は241鞍で複勝率24.5%、補正複勝率差はマイナス6.6ポイントでした。舟山瑠泉騎手は他場比の補正差がマイナス5.1ポイント、亀田温心騎手も補正後の成績が他場を下回りました。騎手全体の能力ではなく、集計期間内の当該競馬場に限った相対評価です。
絶対成績と相対評価は分けて見る
ルメール騎手は函館で勝率17.0%、複勝率47.0%と絶対成績は高水準です。一方、補正複勝率差はマイナス2.8ポイント、他場比の補正差はマイナス3.3ポイントでした。これは「函館で成績が悪い」という意味ではなく、騎乗馬の人気・オッズを考慮すると特別に上昇しているとは言いにくい、という違いです。
芝とダートで評価は変わるか
函館の主要騎手を芝・ダートに分けると、同じ騎手でも勝率と複勝率の出方が異なりました。
| 騎手 | 芝騎乗数 | 芝勝率 | 芝複勝率 | ダート騎乗数 | ダート勝率 | ダート複勝率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 横山武史 | 302 | 17.9% | 45.7% | 158 | 18.4% | 41.8% |
| 武豊 | 249 | 16.9% | 45.8% | 108 | 12.0% | 36.1% |
| ルメール | 75 | 17.3% | 48.0% | 25 | 16.0% | 44.0% |
| 佐々木大輔 | 239 | 12.6% | 33.9% | 155 | 11.6% | 32.3% |
| 鮫島克駿 | 256 | 11.7% | 31.2% | 145 | 8.3% | 33.8% |
| 浜中俊 | 143 | 11.9% | 30.1% | 54 | 14.8% | 31.5% |
データから読み取れること
武豊騎手は芝249鞍で勝率16.9%、複勝率45.8%、ダート108鞍で勝率12.0%、複勝率36.1%でした。鮫島克駿騎手は芝256鞍で勝率11.7%、複勝率31.2%、ダート145鞍で勝率8.3%、複勝率33.8%でした。横山武史騎手は芝302鞍で勝率17.9%、複勝率45.7%、ダート158鞍で勝率18.4%、複勝率41.8%でした。
騎手データを馬券検討でどう見るか
絶対成績と人気補正後の評価を分ける
勝率・複勝率が高い騎手は有力馬への騎乗も多い傾向があります。絶対成績が高いことと、人気以上に走らせていることは同じではありません。まず通常成績を確認し、その後に人気・オッズをそろえた補正複勝率差や他場との差を見ると、評価の理由を整理できます。
回収率だけで得意騎手を決めない
荻野琢真騎手は単勝回収率274.5%、複勝回収率127.6%でしたが、過去の一律100円購入による結果です。単勝払戻の最大1件が総払戻の88.0%、上位3件が97.7%を占めており、高配当への依存も確認する必要があります。
50~99鞍は参考値として慎重に扱う
今回の主要掲載基準は50鞍以上ですが、100鞍未満は区間が広くなります。荻野琢真騎手は89鞍で複勝率16.9%、他場との差はプラス6.4ポイントでしたが、100鞍以上の騎手より慎重に解釈する必要があります。
馬の能力や当日の条件と組み合わせる
騎手データは、馬の能力、コース適性、枠順、展開、馬場状態、人気、オッズと組み合わせて見る情報です。騎手名だけを理由に購入・消去を決めるものではありません。
まとめ
- 絶対成績では横山武史騎手、武豊騎手、ルメール騎手が上位
- 人気・オッズ補正後は浜中俊騎手、佐々木大輔騎手、大野拓弥騎手が上位候補
- 他場比較では鷲頭虎太騎手、大野拓弥騎手、荻野琢真騎手が複数指標で上昇
- 絶対成績が高くても、人気・オッズ補正や他場比較では評価が下がる場合がある
- 芝・ダート、母数、高配当依存を確認して判断材料の1つとして使う
函館競馬場の騎手成績に関するよくある質問
よくある質問
勝率が高ければ函館の得意騎手と考えてよいですか?
勝率だけでは判断できません。人気馬への騎乗が多い騎手ほど勝率は高くなります。同人気・オッズ帯の全騎手基準との差や、他場成績もあわせて確認します。
回収率が100%を超える騎手は買い続けるべきですか?
過去の集計期間で100%を上回ったことを示すだけで、将来の利益を保証しません。最大払戻や上位数件への依存、現在のオッズも確認する必要があります。
騎乗数が少ない騎手はどう評価しますか?
30鞍未満は原則として傾向判断に使わず、30~49鞍は補足、50~99鞍は参考値として扱いました。率が高くても少数騎乗では大きく変動します。
芝とダートは分けて見るべきですか?
分けて見る必要があります。武豊騎手や鮫島克駿騎手のように、芝とダートで勝率や複勝率が変わる例がありました。ただし、各条件の騎乗数も確認します。
人気やオッズはどのように補正していますか?
個別の単勝人気、単勝オッズ帯、出走頭数をそろえ、該当騎手を除く全騎手基準の複勝率と比較しています。複勝オッズの逆数は使用していません。
掲載データについて
本記事のデータは競馬データアカデミーによる独自集計です。集計期間は2021年7月3日から2026年6月28日までの函館競馬場開催を対象とし、騎手別の掲載対象は2026年7月19日時点のJRA現役騎手に限定しています。過去の傾向であり、今後の結果を保証するものではありません。
検証条件
- 対象:JRA中央競馬の平地競走
- 対象競馬場:函館競馬場
- 集計期間:2021年7月3日~2026年6月28日
- 対象レース:792レース
- 現役騎手の有効騎乗数:8,680件(現役94騎手)
- 除外:競走除外34件、競走中止30件、出走取消9件
- 現役判定:2026年7月19日時点のJRA騎手免許・現役プロフィール・引退騎手情報を照合
- 主要ランキング:現役騎手のうち50鞍以上(42騎手)。100鞍未満は解釈に注意
- 単勝回収率:有効騎乗1件につき単勝100円購入
- 複勝回収率:複勝発売対象の有効騎乗1件につき複勝100円購入
- 複勝対象:8頭以上は3着以内、5~7頭は2着以内、4頭以下は対象外
- 他場比較:2021年7月3日~2026年6月28日の函館以外のJRA平地競走
- 騎手名:収録データの表記に統一
- 人気・オッズ補正:個別人気順・単勝オッズ帯・出走頭数をそろえ、該当騎手を除く全騎手基準と比較
- 比較基準:当時のレース環境を維持するため、引退騎手・地方所属騎手・短期免許騎手を含む全有効騎乗から算出。個別掲載は現役JRA騎手のみ
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