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乗り替わりは不利?継続騎乗との成績差を条件別にデータ検証

前走と違う騎手が騎乗する「乗り替わり」は、継続騎乗より不利なのでしょうか。この記事では、2016年〜2025年のJRA平地競走を対象に、乗り替わりと継続騎乗の次走成績を比較。前走着順、当日人気、クラス変更まで条件を分け、騎手変更だけで成績差を判断できるのかを検証します。

検証の結論(要約)

乗り替わり253,047頭の勝率は6.4%、継続騎乗142,681頭は8.7%で、全体では継続騎乗が上回りました。ただし、乗り替わりは前走7着以下が61.7%、次走10番人気以下が40.3%を占め、継続騎乗より低評価馬の比率が高い母集団です。当日人気を揃えると1番人気は32.8%対32.9%、4〜6番人気は7.2%対7.3%でほぼ同水準でした。今回の条件では、全体差を乗り替わりだけの不利とは断定できません。

この記事でわかること

  • 乗り替わりと継続騎乗の勝率・複勝率・回収率
  • 前走着順を分けたときの成績差
  • 当日人気を揃えたときに差が残るか
  • 同級・昇級・降級で乗り替わりの見え方がどう変わるか
目次

検証する通説の内容

今回確認するのは、「乗り替わりは不利」という見方です。同じ騎手が続けて騎乗する場合、前走で得た感触や馬の特徴を次走へ活かしやすいと考えられます。

一方、乗り替わりは前走で結果が出なかった馬や、レース条件が変わる馬で起きることもあります。乗り替わり馬と継続騎乗馬では、前走着順や当日人気の構成が同じとは限りません。

今回の検証で確認するポイント

  • 全体では乗り替わりと継続騎乗のどちらが高成績か
  • 前走着順・当日人気を揃えても差が残るか
  • クラス変更を分けると結果の方向は変わるか

検証条件の設計

同一馬の出走履歴を日付順に並べ、直前のJRA平地競走を前走として接続しました。前走騎手と次走騎手が同じ場合を「継続騎乗」、異なる場合を「乗り替わり」としています。

前走データが存在しない新馬戦は除外しています。前走着順、次走の当日人気、クラス変更で条件を分け、サンプル数と母集団構成の違いを確認します。

騎手変更と馬の評価は同時に変わる

乗り替わりは単独で発生する条件ではありません。前走成績、次走の相手関係、クラス変更などと同時に起きます。本記事は過去の条件別成績を比較する検証であり、騎手が替わったこと自体の因果効果を証明するものではありません。

検証結果|乗り替わりと継続騎乗の成績差

まず、乗り替わりと継続騎乗の全体成績を比較します。勝率・連対率・複勝率に加え、該当馬の単勝・複勝を100円ずつ購入し続けた場合の回収率を掲載しています。

※同一馬の前走・次走騎手を接続した馬単位集計です。表は横にスクロールできます。

騎乗区分 サンプル数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
乗り替わり 253,047 6.4% 12.9% 19.5% 72% 73%
継続騎乗 142,681 8.7% 17.2% 25.5% 73% 73%

データから読み取れること

乗り替わりの勝率は6.4%、複勝率は19.5%でした。継続騎乗は勝率8.7%、複勝率25.5%で、勝率は2.3ポイント、複勝率は6.0ポイント上回っています。

一方、単勝回収率は72%対73%、複勝回収率は73%対73%で大きな差はありません。全体の好走率には差がありますが、回収率まで同じ幅で差が広がる結果ではありませんでした。

この全体比較だけなら「継続騎乗が有利」と読めます。しかし、乗り替わり馬には前走大敗馬や低人気馬が多く含まれています。そこで、条件を揃えて差が残るかを確認します。

条件を変えた場合の結果

前走2〜3着では乗り替わりと継続騎乗がほぼ同水準

前走着順別に成績を比較します。

前走着順 騎乗区分 サンプル数 勝率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1着 乗り替わり 15,816 9.9% 27.6% 68% 75%
1着 継続騎乗 15,306 12.0% 32.0% 73% 77%
2〜3着 乗り替わり 28,080 17.5% 43.8% 74% 78%
2〜3着 継続騎乗 33,896 16.9% 44.0% 74% 77%
4〜6着 乗り替わり 52,417 8.7% 26.9% 75% 78%
4〜6着 継続騎乗 38,983 7.8% 26.0% 76% 76%
7着以下 乗り替わり 156,165 3.3% 11.9% 70% 71%
7着以下 継続騎乗 54,355 3.2% 11.7% 69% 67%

前走1着では継続騎乗の勝率12.0%が乗り替わり9.9%を上回りました。一方、前走2〜3着は17.5%対16.9%、4〜6着は8.7%対7.8%、7着以下は3.3%対3.2%で、乗り替わりがわずかに高い結果です。

前走着順を分けると、全体で見られた2.3ポイント差は大きく縮小します。特に前走2着以下では、乗り替わりが一律に低成績という結果ではありませんでした。

乗り替わり馬の61.7%は前走7着以下

全体成績差を考えるため、前走着順の構成比を比較します。

前走着順 乗り替わりの構成比 継続騎乗の構成比
1着 6.3% 10.7%
2〜3着 11.1% 23.8%
4〜6着 20.7% 27.3%
7着以下 61.7% 38.1%

乗り替わり馬は前走7着以下が61.7%を占め、継続騎乗の38.1%を23.6ポイント上回りました。反対に前走1〜3着は乗り替わり17.4%、継続騎乗34.5%です。

つまり、乗り替わり馬全体には前走で着順を落とした馬が多く含まれています。全体勝率6.4%と8.7%の差を、騎手変更だけの影響と読むと母集団差を見落とします。

当日人気を揃えると勝率差はほぼ消える

次走の当日人気別に乗り替わりと継続騎乗を比較します。

当日人気 騎乗区分 サンプル数 勝率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1番人気 乗り替わり 14,689 32.8% 63.6% 80% 84%
1番人気 継続騎乗 13,943 32.9% 64.9% 77% 83%
2〜3番人気 乗り替わり 31,509 16.6% 46.1% 82% 83%
2〜3番人気 継続騎乗 25,595 16.0% 47.1% 77% 81%
4〜6番人気 乗り替わり 51,029 7.2% 26.7% 78% 78%
4〜6番人気 継続騎乗 34,065 7.3% 27.8% 78% 77%
7〜9番人気 乗り替わり 53,868 2.9% 13.3% 74% 76%
7〜9番人気 継続騎乗 28,785 3.0% 13.6% 75% 73%
10番人気以下 乗り替わり 101,952 0.9% 4.5% 63% 65%
10番人気以下 継続騎乗 40,293 0.9% 4.7% 62% 60%

1番人気は乗り替わり32.8%、継続騎乗32.9%。2〜3番人気は16.6%対16.0%、4〜6番人気は7.2%対7.3%でした。7番人気以下も勝率差は0.1ポイント以内です。

当日人気を揃えると、全体で見られた勝率2.3ポイント差はほぼ消えました。人気順は市場評価を反映した数字であり、因果関係を示すものではありませんが、乗り替わり馬と継続騎乗馬の評価構成が異なることは確認できます。

乗り替わり馬は10番人気以下の割合が40.3%

次走の当日人気構成を比較します。

当日人気 乗り替わりの構成比 継続騎乗の構成比
1番人気 5.8% 9.8%
2〜3番人気 12.5% 17.9%
4〜6番人気 20.2% 23.9%
7〜9番人気 21.3% 20.2%
10番人気以下 40.3% 28.2%

乗り替わりは1番人気5.8%、2〜3番人気12.5%で、継続騎乗の9.8%、17.9%より低い構成です。反対に10番人気以下は乗り替わり40.3%、継続騎乗28.2%でした。

乗り替わり馬には低人気馬が多く含まれています。この構成差も、全体の好走率が継続騎乗より低く見える背景の一つです。

同級・昇級では継続騎乗が上回る

クラス変更別にも成績を確認します。

※クラスは新馬・未勝利・1勝・2勝・3勝・OP・G3・G2・G1の順で比較し、クラス欄が空欄のリステッド競走などはOPとして整理しています。

クラス変更 騎乗区分 サンプル数 勝率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
同級 乗り替わり 198,113 6.1% 19.2% 73% 75%
同級 継続騎乗 105,717 8.4% 25.2% 73% 73%
昇級 乗り替わり 45,305 6.6% 19.0% 65% 67%
昇級 継続騎乗 32,572 9.2% 25.5% 72% 72%
降級 乗り替わり 9,629 10.9% 27.8% 76% 76%
降級 継続騎乗 4,392 11.2% 32.3% 59% 74%

同級では乗り替わり勝率6.1%、継続騎乗8.4%。昇級では6.6%対9.2%で、継続騎乗が上回りました。降級は10.9%対11.2%で勝率差は小さいものの、複勝率は27.8%対32.3%です。

クラス変更を分けても、同級・昇級では継続騎乗の好走率が高い結果でした。ただし、各区分内でも前走着順や当日人気の構成は完全には揃っていません。クラス変更だけで騎手変更の影響を分離した比較ではありません。

データから読み取れること

  • 全体では乗り替わり勝率6.4%、継続騎乗8.7%
  • 乗り替わり馬の61.7%は前走7着以下で、継続騎乗は38.1%
  • 前走2〜3着は乗り替わり17.5%、継続騎乗16.9%
  • 当日1番人気は32.8%対32.9%で、人気を揃えると勝率差はほぼ消える
  • 同級・昇級では継続騎乗の好走率が高かった

この検証の限界と読み取り方

今回の検証では、全体の好走率は継続騎乗が乗り替わりを上回りました。一方、前走着順や当日人気を分けると差は大きく縮小し、一部では乗り替わりが上回る区分もあります。

この検証の限界

  • 乗り替わりと継続騎乗では、前走着順・当日人気・クラス構成が同一ではない
  • 騎手個人の能力、馬との相性、乗り替わり理由は今回の主条件にしていない
  • 競馬場、距離、馬場状態、枠順などを同時には揃えていない
  • 当日人気は市場評価を反映した結果であり、乗り替わりの因果効果を示す調整変数ではない

全体集計だけを見ると、継続騎乗の方が高成績です。しかし、乗り替わり馬は前走7着以下と次走10番人気以下の割合が高く、条件構成が大きく異なります。

今回の人気帯別比較では、1番人気から10番人気以下まで勝率差は0.6ポイント以内でした。したがって、「乗り替わりだから不利」と一律に評価するのではなく、前走着順、次走の市場評価、クラス変更を分けて確認する必要があります。騎手データを詳しく見る場合は、騎手・種牡馬データとあわせて条件を整理してください。

まとめ

今回の検証まとめ

  • 乗り替わり253,047頭の勝率は6.4%、継続騎乗142,681頭は8.7%
  • 乗り替わり馬の61.7%は前走7着以下
  • 当日1番人気は乗り替わり32.8%、継続騎乗32.9%
  • 2〜3番人気は16.6%対16.0%、4〜6番人気は7.2%対7.3%
  • 全体差を乗り替わりだけの不利とは断定できず、前走着順と人気構成を分ける必要がある

「乗り替わりは不利」という見方について、今回の2016年〜2025年JRA平地競走では、乗り替わりの勝率6.4%に対し、継続騎乗は8.7%でした。全体では継続騎乗の好走率が高い結果です。

ただし、乗り替わり馬は前走7着以下が61.7%、次走10番人気以下が40.3%を占めています。当日人気を揃えると勝率差はほぼ消えるため、騎手変更だけで有利・不利を決めず、前走着順、当日人気、クラス変更まで分けて確認することが重要です。

検証条件

  • 対象:JRA平地競走
  • 集計期間:2016年〜2025年
  • 前走データ:同一馬の出走履歴を日付順に接続し、前走データのない新馬戦を除外
  • 騎乗区分:前走騎手と次走騎手が同じ場合を継続騎乗、異なる場合を乗り替わり
  • 条件分解:前走着順、次走当日人気、クラス変更で比較
  • 指標・出典:勝率・連対率・複勝率・単勝回収率・複勝回収率を馬単位で集計。データ出典は競馬データアカデミー独自集計
本記事で掲載している各種データは、競馬データアカデミーによる独自集計であり、集計期間は2016年〜2025年を対象としています。データは過去の傾向をもとにしたものであり、今後の結果を保証するものではありません。

よくある質問

乗り替わりは不利というのは本当ですか?

今回の2016年〜2025年JRA平地競走では、乗り替わりの勝率6.4%に対し継続騎乗は8.7%でした。全体では継続騎乗が上回ります。ただし前走着順や当日人気の構成が大きく異なるため、乗り替わりだけの影響とは断定できません。

人気を揃えても継続騎乗の方が高成績ですか?

今回の勝率では大きな差を確認できませんでした。1番人気は乗り替わり32.8%、継続騎乗32.9%。2〜3番人気は16.6%対16.0%、4〜6番人気は7.2%対7.3%です。

前走好走馬の乗り替わりは不利ですか?

前走1着では乗り替わり勝率9.9%、継続騎乗12.0%でした。一方、前走2〜3着は17.5%対16.9%です。前走着順によって結果が異なり、好走馬を一括りにはできません。

昇級戦の乗り替わりは不利ですか?

今回の条件では、昇級時の乗り替わりは勝率6.6%・複勝率19.0%、継続騎乗は9.2%・25.5%でした。ただし当日人気や前走内容を完全に揃えた比較ではないため、騎手変更だけの効果とは断定できません。

騎手の乗り替わりデータを見るときは何を確認すべきですか?

前走着順、次走の当日人気、クラス変更を分けて確認することが重要です。全体成績だけでは母集団構成の違いを含むため、十分なサンプル数と条件を揃えて比較してください。

著者・運営者情報

執筆・編集:競馬データアカデミー編集部

競馬データアカデミーは、期待値・回収率・オッズ分析・競馬場傾向・データ検証などを、初心者から上級者まで段階的に学べる競馬データ学習メディアです。人気や印象だけに頼らず、過去データを判断材料として競馬を考えるための情報を発信しています。

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