札幌競馬場と函館競馬場は、どちらも北海道にあり、芝コースには洋芝が使われています。しかし、同じ洋芝でもコースの起伏やコーナー形状は異なり、芝1200mの過去成績も同じ形ではありません。この記事では、JRA公式のコース情報と2016年〜2025年の独自集計を使い、札幌と函館の違いを枠順・人気帯・4角位置から比較します。
この記事の結論
札幌と函館は「北海道の洋芝・右回り・短い直線」という共通点がありますが、コース形態と芝1200mのデータ傾向は同じではありません。札幌は高低差0.7mで大きく緩やかなコーナー、函館は高低差3.5mで3・4コーナーにスパイラルカーブを採用しています。芝1200mでは全体成績の差は小さい一方、枠順別では札幌8枠の複勝率27.2%、函館2枠25.6%など、条件を分けると違いが確認できます。
この記事でわかること
- 札幌競馬場と函館競馬場のコース形態の違い
- 両競馬場で使われる洋芝の共通点
- 芝1200mの枠順別成績の違い
- 人気帯別・4角位置別に見た成績比較
- 同じ洋芝コースを一括りにしないデータの見方
札幌と函館は同じ洋芝でもコース形態が違う
札幌競馬場と函館競馬場は、JRAの馬場情報で芝の種類が洋芝3種混合とされています。北海道以外の多くのJRA競馬場で見られる野芝主体の馬場とは、芝の構成が異なります。
一方、コースの形は同じではありません。JRA公式のコースデータでは、札幌芝Aコースは1周1,640.9m・直線266.1m・高低差0.7m、函館芝Aコースは1周1,626.6m・直線262.1m・高低差3.5mです。
※コース形態の数値はJRA公式情報を参照。芝はAコース基準です。表は横にスクロールできます。
| 比較項目 | 札幌競馬場 | 函館競馬場 |
|---|---|---|
| 回り方向 | 右回り | 右回り |
| 芝の種類 | 洋芝3種混合 | 洋芝3種混合 |
| 芝Aコース1周距離 | 1,640.9m | 1,626.6m |
| 芝Aコース直線距離 | 266.1m | 262.1m |
| 芝コース高低差 | 0.7m | 3.5m |
| コーナー形状 | 半径が大きく、緩やかなカーブ | 3・4コーナーにスパイラルカーブ |
| 芝1200mの発走地点 | 2コーナー奥のポケット | 2コーナーポケット |
コース形態から確認できる違い
札幌はJRA公式のコース紹介で「ほぼ平坦」とされ、4つのコーナーは大きく緩やかな形です。函館は高低差3.5mがあり、3・4コーナーにスパイラルカーブが採用されています。直線距離は約4mしか違いませんが、起伏とコーナー構造は大きく異なります。
JRAの各競馬場の直線距離・高低差は、競馬場別の直線距離・高低差一覧でも比較しています。
今回の芝1200m比較条件
ここからは、2016年〜2025年のJRA平地競走を対象に、札幌芝1200mと函館芝1200mの成績を同じ基準で比較します。馬単位で勝率・連対率・複勝率・単勝回収率・複勝回収率を集計しています。
比較するときの前提
札幌は233レース・3,200頭、函館は408レース・5,295頭が対象です。開催数とサンプル数が異なるため、数値の大小だけで優劣を決めず、条件ごとの件数もあわせて確認してください。
芝1200mの全体成績を比較
まず、札幌芝1200mと函館芝1200mの対象全馬を集計した全体成績を比較します。
※単勝・複勝回収率は該当馬を100円ずつ購入した場合の回収率です。表は横にスクロールできます。
| 競馬場 | レース数 | サンプル数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 札幌 | 233 | 3,200 | 7.3% | 14.6% | 21.6% | 70% | 77% |
| 函館 | 408 | 5,295 | 7.8% | 15.4% | 22.6% | 74% | 77% |
データから読み取れること
全体では札幌が勝率7.3%・複勝率21.6%、函館が勝率7.8%・複勝率22.6%です。単勝回収率は札幌70%、函館74%、複勝回収率は両場とも77%でした。全体値だけを見ると大きな差はありません。
ただし、全体成績はすべての枠順・人気・位置取りを合算した数字です。両競馬場の違いを見るには、条件を分けて比較する必要があります。
枠順別成績を比較
枠順別に比較すると、札幌と函館では成績の並び方が異なります。以下は1枠から8枠までを同じ基準で集計した結果です。
※同じ枠順について札幌・函館を続けて掲載しています。表は横にスクロールできます。
| 枠順 | 競馬場 | サンプル数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1枠 | 札幌 | 351 | 9.7% | 16.0% | 23.9% | 99% | 81% |
| 1枠 | 函館 | 560 | 8.4% | 16.1% | 24.6% | 70% | 83% |
| 2枠 | 札幌 | 364 | 5.5% | 11.5% | 21.7% | 68% | 73% |
| 2枠 | 函館 | 586 | 7.0% | 17.4% | 25.6% | 45% | 84% |
| 3枠 | 札幌 | 388 | 4.9% | 12.1% | 16.0% | 37% | 45% |
| 3枠 | 函館 | 619 | 7.9% | 15.5% | 23.4% | 68% | 82% |
| 4枠 | 札幌 | 400 | 4.5% | 14.8% | 21.0% | 42% | 79% |
| 4枠 | 函館 | 653 | 8.0% | 15.2% | 22.8% | 69% | 74% |
| 5枠 | 札幌 | 413 | 7.3% | 13.8% | 19.6% | 72% | 95% |
| 5枠 | 函館 | 685 | 8.5% | 15.2% | 21.2% | 117% | 77% |
| 6枠 | 札幌 | 421 | 9.0% | 16.2% | 21.1% | 81% | 71% |
| 6枠 | 函館 | 715 | 9.2% | 17.6% | 24.3% | 91% | 81% |
| 7枠 | 札幌 | 429 | 7.5% | 14.0% | 21.7% | 56% | 78% |
| 7枠 | 函館 | 732 | 6.4% | 13.7% | 20.5% | 52% | 76% |
| 8枠 | 札幌 | 434 | 10.1% | 17.7% | 27.2% | 100% | 89% |
| 8枠 | 函館 | 745 | 6.8% | 13.3% | 19.9% | 77% | 67% |
データから読み取れること
- 札幌は8枠が勝率10.1%・複勝率27.2%で、8枠の数値が目立つ
- 札幌1枠も勝率9.7%・複勝率23.9%で、内外の一方だけが高い形ではない
- 函館は2枠の複勝率25.6%、6枠24.3%、1枠24.6%が比較的高い
- 函館7枠は複勝率20.5%、8枠19.9%で、外寄り2枠は1〜6枠より低い
「洋芝の短い直線だから内枠が有利」と一律にまとめると、札幌8枠の成績を説明できません。競馬場ごとに枠順データを分けて確認する必要があります。
人気帯別成績を比較
次に、単勝人気を1番人気、2〜3番人気、4〜6番人気、7〜9番人気、10番人気以下に分けて比較します。
※人気帯は単勝の当日人気で区分しています。表は横にスクロールできます。
| 人気帯 | 競馬場 | サンプル数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1番人気 | 札幌 | 233 | 28.3% | 45.5% | 59.2% | 72% | 80% |
| 1番人気 | 函館 | 408 | 30.1% | 48.0% | 58.6% | 73% | 77% |
| 2〜3番人気 | 札幌 | 466 | 19.1% | 33.9% | 44.8% | 98% | 82% |
| 2〜3番人気 | 函館 | 816 | 16.5% | 32.5% | 45.6% | 81% | 81% |
| 4〜6番人気 | 札幌 | 698 | 7.2% | 17.0% | 27.1% | 80% | 84% |
| 4〜6番人気 | 函館 | 1,220 | 7.8% | 17.3% | 26.2% | 85% | 74% |
| 7〜9番人気 | 札幌 | 662 | 2.3% | 6.9% | 13.4% | 57% | 77% |
| 7〜9番人気 | 函館 | 1,141 | 3.2% | 7.3% | 13.2% | 76% | 72% |
| 10番人気以下 | 札幌 | 1,141 | 1.3% | 3.2% | 5.7% | 58% | 69% |
| 10番人気以下 | 函館 | 1,710 | 1.2% | 3.6% | 6.8% | 62% | 82% |
データから読み取れること
1番人気の勝率は札幌28.3%、函館30.1%、複勝率は札幌59.2%、函館58.6%で近い水準です。4〜6番人気の複勝率も札幌27.1%、函館26.2%と大きな差はありません。
一方、2〜3番人気は札幌の勝率19.1%に対して函館16.5%、単勝回収率は札幌98%・函館81%でした。10番人気以下の複勝率は札幌5.7%・函館6.8%、複勝回収率は札幌69%・函館82%です。
回収率は高配当の的中によって動きやすいため、単年や数レースの結果ではなく、サンプル数と好走率をあわせて読むことが重要です。
4角位置別成績を比較
4コーナー通過順位を1番手、2〜3番手、4〜5番手、6〜9番手、10番手以下に分けて比較します。これは脚質そのものではなく、実際のレースで4コーナーをどの位置で通過したかを示す集計です。
※4角通過順位を取得できる出走馬を対象に区分。表は横にスクロールできます。
| 4角位置 | 競馬場 | サンプル数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1番手 | 札幌 | 233 | 24.5% | 38.2% | 51.9% | 258% | 148% |
| 1番手 | 函館 | 408 | 25.7% | 40.0% | 46.6% | 200% | 153% |
| 2〜3番手 | 札幌 | 620 | 12.3% | 24.2% | 34.5% | 107% | 111% |
| 2〜3番手 | 函館 | 1,082 | 14.4% | 27.3% | 37.7% | 119% | 105% |
| 4〜5番手 | 札幌 | 468 | 9.6% | 18.8% | 29.7% | 105% | 122% |
| 4〜5番手 | 函館 | 804 | 8.5% | 19.9% | 31.1% | 67% | 90% |
| 6〜9番手 | 札幌 | 868 | 5.3% | 11.6% | 18.0% | 44% | 65% |
| 6〜9番手 | 函館 | 1,510 | 3.9% | 9.3% | 16.8% | 51% | 76% |
| 10番手以下 | 札幌 | 1,008 | 1.1% | 3.8% | 6.0% | 9% | 28% |
| 10番手以下 | 函館 | 1,486 | 1.5% | 3.8% | 6.6% | 35% | 32% |
データから読み取れること
4角1番手の勝率は札幌24.5%、函館25.7%で、両場ともほかの位置区分より高い数値です。複勝率は札幌51.9%、函館46.6%でした。
2〜3番手は札幌が勝率12.3%・複勝率34.5%、函館が14.4%・37.7%。10番手以下では札幌が勝率1.1%・複勝率6.0%、函館が1.5%・6.6%まで低下しています。
両場とも4角位置が前になるほど好走率は高い傾向ですが、4角位置はレース後に確定する情報です。「前に行く馬を買えば同じ成績になる」という意味ではありません。展開やペース、馬の能力を含んだ結果として読み取る必要があります。
札幌と函館の違いをどう読むか
共通点は「洋芝」だけではない
札幌と函館は、どちらも洋芝3種混合、右回り、芝1200mの直線が260m台という共通点があります。そのため、北海道の短距離コースとしてまとめて語られることがあります。
しかし、札幌は高低差0.7mで大きなコーナーが続き、函館は高低差3.5mで3・4コーナーにスパイラルカーブがあります。共通点を確認したうえで、違う部分を切り分けることが重要です。
芝1200mでも枠順の並びは同じではない
今回の集計では、札幌8枠の複勝率27.2%に対し、函館8枠は19.9%でした。反対に函館2枠は25.6%で、札幌2枠は21.7%です。
この差だけでコース形態との因果関係を断定することはできませんが、「札幌と函館は洋芝だから枠順傾向も同じ」という前提は置かないほうがよいでしょう。
全体値が近くても条件別では差が出る
全体の複勝率は札幌21.6%、函館22.6%と1.0ポイント差でした。しかし、枠順や人気帯、4角位置に分けると数字の並びは変わります。
競馬場データを見るときは、まず全体値で大きな差を確認し、次に条件別データへ進む方法が有効です。条件を細かくするほど母数は減るため、件数も同時に確認します。
札幌・函館の芝1200mデータを見るときの注意点
確認したい5つのポイント
札幌競馬場と函館競馬場をさらに詳しく見る場合は、札幌競馬場の特徴・距離別データと函館競馬場の特徴・距離別データを個別に確認してください。
まとめ
札幌競馬場と函館競馬場は、どちらも洋芝3種混合を使用する右回りの競馬場です。芝1200mの直線距離も札幌266.1m、函館262.1mと近い数値です。
一方、芝コースの高低差は札幌0.7m、函館3.5m。札幌は大きく緩やかなコーナー、函館は3・4コーナーにスパイラルカーブを採用しており、コース形態は異なります。
2016年〜2025年の芝1200mデータでも、全体成績は近い一方、枠順別・人気帯別・4角位置別では違いが確認できました。同じ「北海道の洋芝」と一括りにせず、競馬場ごとに条件を揃えてデータを見ることが大切です。
検証条件
- 対象:JRA平地競走の札幌芝1200m・函館芝1200m
- 集計期間:2016年〜2025年
- 新馬戦:含む
- 出走取消・競走除外:出走回数から除外
- 競走中止:出走回数に含め、着外扱い
- 複勝率・複勝回収率:8頭立て以上は3着まで、5〜7頭立ては2着までを複勝対象として集計
- 枠順区分:1枠〜8枠
- 人気帯区分:1番人気/2〜3番人気/4〜6番人気/7〜9番人気/10番人気以下
- 4角位置区分:1番手/2〜3番手/4〜5番手/6〜9番手/10番手以下
- 4角位置別成績:4角通過順位を取得できる出走馬を区分
- コース形態の説明:JRA公式コース情報・馬場情報を参照
- データ出典:競馬データアカデミー独自集計
本記事で掲載している各種データは、競馬データアカデミーによる独自集計であり、集計期間は2016年〜2025年を対象としています。データは過去の傾向をもとにしたものであり、今後の結果を保証するものではありません。
よくある質問
よくある質問
札幌競馬場と函館競馬場はどちらも洋芝ですか?
はい。JRAの馬場情報では、札幌競馬場と函館競馬場の芝は洋芝3種混合とされています。ただし、コースの高低差やコーナー形状、路盤の構成は同じではありません。
札幌と函館はどちらの直線が長いですか?
芝Aコースでは札幌が266.1m、函館が262.1mです。札幌のほうが4.0m長いですが、両場ともJRAの競馬場の中では短い直線です。
札幌と函館では高低差がどれくらい違いますか?
JRA公式のコースデータでは、札幌芝は0.7m、函館芝は3.5mです。数値差は2.8mあり、札幌はほぼ平坦、函館はコース全体に起伏が設けられています。
芝1200mは札幌と函館のどちらが内枠有利ですか?
今回の2016年〜2025年集計では、単純に「どちらも内枠有利」とまとめられる結果ではありません。札幌は8枠の複勝率27.2%、函館は2枠25.6%など、枠順別の成績の並びが異なります。
4角前方の馬は札幌と函館の両方で好走率が高いですか?
今回の集計では、4角1番手の勝率は札幌24.5%、函館25.7%で、両場ともほかの位置区分より高い数値でした。ただし4角位置はレース後に確定する情報であり、事前の脚質予想と同じ意味ではありません。
次に読む記事
札幌と函館の違いを確認したら、各競馬場の距離別データや、直線距離・高低差の全体比較へ進むとコース形態をさらに整理できます。
参考・出典
本記事の芝の種類、1周距離、直線距離、高低差、コーナー形状に関する説明はJRA公式サイトを参照しています。コース情報は変更される場合があるため、最新情報はJRA公式サイトでも確認してください。
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